骨盤のゆがみは一利なし
女性にとって、赤ちゃんを産んだあとの体型については大きな関心ごとのひとつではないでしょうか。
出産前の体型まで自分の身体が戻るのか、お尻が大きなままになってしまわないか・・・。
確かに赤ちゃんはほしいけど、そのせいで体型が変わってしまうのは避けたいですよね。
そんな産後ケアの話題の中で、「骨盤がゆがむと太りやすくなる」という話を聞いたこと、ありませんか?
実は出産が終わった後に、妊娠前の体型に戻せるかどうか、ダイエットを成功させることができるかどうかは、この「骨盤のゆがみ」への対処で大きく左右されます。
今回は、骨盤がゆがむことで女性の体に起こる症状と、ちょっとした対処方法を併せて紹介します!
アタシ、出産後に骨盤矯正がんばれなくて、お尻がおっきなままなんだよなぁ・・
あおいの場合は出産前からの股関節通が治らなくて、最低限のことしかできなかったのが痛かったね・・
骨盤のゆがみは出産後すぐにやらなきゃダメ!っていろんな本に書いてるけど、アタシはもう手遅れなのかしら・・
手遅れなんてことはないよ!確かに出産後すぐのほうが効果が出やすいけど、そうでない人も骨盤のゆがみを減らすことでダイエット効果が出やすくなるし、代謝アップだって期待できるんだ!
まずは出産後の骨盤矯正の失敗などで骨盤がゆがんだままになっていると起こりやすい症状と、対処法を紹介していくね。
もくじ
筋力低下
骨盤がゆがむと、骨盤を囲む「腹直筋」や「腹横筋」と言ったおなか周りの筋肉や、骨盤の底で子宮や内臓を支え続ける「骨盤底筋」などのインナーマッスルにかかる負担のバランスが崩れ、関節や靭帯を痛めやすくなります。
またその状態になると、私たちの体は無意識のうちに痛めている部位をかばうように行動するようになり、不自然な使われ方をする筋肉にダメージが蓄積されていきます。
体のどこかをかばいながら行動するとき、主に体の外側の大きな筋肉が使われるのですが、これが行き過ぎると体幹部分の筋肉やインナーマッスルが使われにくくなり、全体的に筋力が低下してしまいます。
筋力が失われると、その分太ももやお尻を引き上げる力も弱くなり、結果として「たるみ」の原因になってしまいます。
また、筋肉量が減少するということは、基礎代謝や脂肪の燃焼も滞ることになりますので、肥満になりやすい状態にもなります。
対処法
筋力不足を補うには、やはり筋トレとストレッチしかありません。
ですが、出産のダメージから回復しきっていない女性の体で無理をするのが厳禁!
まずは骨盤周りの筋肉のストレッチを行い、骨盤が元の位置に戻りやすくなるよう筋肉の質を柔らかくすることを目指しましょう。
おすすめは仰向けに寝て両膝を立てた状態から、お尻だけを真上に突き上げる運動です。
これ、動きは地味なのですが、筋力が弱っている産後に行うと、腿の後ろ側とお尻がつりそうになるくらい効きます!
この運動は、①腰を上に突き上げるときは勢い良く上げ、5秒くらいの時間をかけてゆっくり下におろすこと、②上げるときはお尻にキュッと力を入れながら行うこと、がコツです。
産後は関節や靭帯も緩みやすくなっていますが、この運動は膝や腰などへの負担も少ないのでぜひ試してみてください^^
慣れてきたら、脛を床に対してできるだけ垂直に立てるようにしてみてください。
そうすることでお尻などへの負荷が増え、筋トレ効果も格段に向上します。
骨盤のゆがみを修復するだけでなく、日々のダイエットや、プロポーション維持のためにも効果的な、万能エクササイズです。
ぽっこりお腹
骨盤のゆがみは、筋力低下を招くことも相まって、無意識のうちに姿勢を悪くしてしまう原因になります。
姿勢が悪くなると筋肉や関節、靭帯に無理な負荷がかかって痛みやすくなるのですが、私たちの体はそれをかばうように腰をそらせるようになってしまったり、反対に猫背になってしまったりと、立っても座っても姿勢が悪くなってしまいます。
それがまた筋肉に無理な負荷がかかる原因となりますます筋力低下の悪循環が進むことになります。
男性に比べて筋力が劣る女性は、内臓の重さを筋肉だけで支えることが難しいため、骨盤でもそれらを受け止めるように支えているのですが、筋力低下と骨盤のゆがみで内臓を高い位置で支えきれなくなり、下に降りてきてしまいます。
またそうなると上からの圧で腸も圧迫され、便秘がちになってうこともあり、結果として「ポッコリお腹」になってしまうのです。
対処法
いつもより下に降りてきてしまった内臓を上部の正しい位置でキープさせるためには、骨盤ベルトの使用して仮に骨盤を固定しつつ、「骨盤回しストレッチ」などで筋力アップを狙うのがおすすめです。
骨盤回しストレッチは、骨盤ベルトを付けたまま立った状態でできる簡単な内容で、以下のように行います。
- 手を腰に当て、足は肩幅に広げる
- 腰を時計回りにゆっくり均等な動きで5~10回まわす
- 腰を反時計回りにゆっくり均等な動きで5~10回まわす
なんとたったこれだけです!
このストレッチは、産後で筋力が落ちていても無理なく行える内容ですし、なにより時間と場所を選ばないエクササイズなので、続けやすいのもうれしいですよね^^
ちなみに私は産後の痛みがひどくて、骨盤ベルトの着用や具体的な筋トレなどを開始するのがずいぶんと遅れてしまい、骨盤のゆがみを改善するために相当な時間と苦労をしました。
産後、ほぼ筋トレやストレッチを行えないまま3~4か月が経過した後、やっと行ったのがこの「骨盤回しストレッチ」だったのですが、開始初日に2時間おきに行っただけで、横っ腹や股関節、足の付け根の筋肉がものすごい筋肉痛になったのをいまでも覚えています^^;
出産のダメージから回復しきれていない状態でおこなう、骨盤矯正の第一歩としてはまさにうってつけのエクササイズ。おすすめですよ!
代謝の低下

骨盤のゆがみとは直接関係なさそうに感じるかもしれませんが、代謝の低下も骨盤がゆがむことで起こる症状のひとつです。
これは前にもご紹介したとおり、骨盤がゆがむことでポッコリお腹になってしまったり、姿勢が悪くなるために、血管やリンパ管が圧迫されることで血流やリンパの流れが滞ってしまうことが原因です。
血液とリンパの流れの停滞は、妊娠と出産で疲弊している女性の体内に十分な酸素と栄養素をいきわたらせることができなくなり、回復の遅れにつながります。
冷え性やむくみ、貧血などの重大な症状を引きおこすきっかけにもなりますので、対策が必要です。
対応策

先に紹介させていただいた骨盤回しストレッチや腰上げ運動などで改善が期待できますが、最近では身体の内側から血流・結構を改善する方法として、葉酸やビタミンB群、タンパク質を摂取するといった、栄養摂取の観点からの取り組みが注目されています。
葉酸とビタミンB群が持つ造血作用をサポートする働きは、特に妊娠中、出産後の女性の健康増進・健康維持にとても重要な役割をはたします。
食事や葉酸サプリなどを上手に利用して、栄養面でも骨盤のゆがみによって引き起こされる症状の緩和をめざすことも必要です。
便秘

骨盤がゆがむと、本来は筋肉と骨盤とで支えられている臓器が下腹部側に降りてきてしまい、腸を圧迫します。
また骨盤が前や後ろに傾くようにゆがんでいると、正しい位置で支えられない内臓にますます負担がかかり、お通じに悪影響を及ぼします。
内臓が圧迫されて血行が悪くなるだけでなく、便秘まで併発してしまうと、骨盤のゆがみを治して妊娠前に体を取り戻そすための取り組みの大きな障害になってしまいます。
まとめ
骨盤のゆがみが、出産後の女性の体にこんなにも悪影響を及ぼすなんて、驚きですよね。
今回は、骨盤のゆがみが原因で起こる可能性がある症状と、簡単にできる対処法の一例をご紹介いたしましたが、産後の身体の状態は、人それぞれ全く違います。
ここで紹介させていただいた内容を参考に、まずはご自分の体調と身体の状態にあった取り組みを行って、できるだけ早めに骨盤のゆがみを修正するようにがんばりましょう!