産後に骨盤クッションはおすすめ?
産後太りや産後の歩行障害の予防の手段としてすぐに始めるのが良いとされている骨盤矯正ですが、骨盤ベルトだとこまめにしめなおしが必要で面倒だし、安くない料金を払って骨盤矯正の施術を受ける時間もお金ももったいない・・といった悩みをもっている新米ママは結構多いです。
そんななか、かなりお手軽に、しかも無理なく骨盤矯正を行えるということで、産後に使う必須アイテムとして「骨盤矯正クッション」が人気を集めています。
今回は、長い時間をかけてじっくりケアしていく必要がある骨盤矯正を、自宅やオフィスでも簡単に行えると話題の「骨盤クッション」について、その種類と使い方をご紹介します!
もくじ
骨盤矯正はなぜ必要?

女性の体は、妊娠中期くらいから、出産にむけて徐々に骨盤をはじめ、全身の筋肉や関節、人体などが緩みやすい体になっていきます。
これはおなかの中で大きく育った赤ちゃんが無事に産まれてこれるように、お母さんの体に備わった重要な変化です。
ですがこの「身体が弛緩した状態」は、赤ちゃんを無事に出産したあと、長い人で数か月間続くこともあり、この時期に正しい対応を怠ると、あとあと骨盤のゆがみや関節の痛みなどに繋がってしまします。
そのため、産後できるだけ早い時期に骨盤矯正を始めたほうが効果的です。
ただ、出産直後の痛みや傷などがある状態で始めるのは、むしろお母さんの健康を害する可能性があるためお勧めできません。
骨盤矯正は、産後の傷が癒えると同時に、骨盤や関節などがゆがみやすい状態が続いている「産後一か月くらい」からを目安に始めるとGOOD!
骨盤クッションってなに?
骨盤クッションは、「座っているだけで」骨盤のゆがみ解消をサポートしてくれる健康グッズのひとつです。
最近では大型家具量販店やホームセンターなどでも販売されており、お試しコーナーなどが設置されている場合もおおいですよね。
商品によってさまざまな形のものがあり、椅子に設置するタイプや直接床に置くタイプのもの、丸型や座布団型など、ほんとうにいろいろな種類のクッションがあります。
ほとんどの骨盤クッションは、座るとお尻を両サイドから軽く締め付ける効果や、座ったときに骨盤や背骨がゆがまないように、座り姿勢を美しくキープしてくれる効果があり、座ってみるだけでなんとなく骨盤が矯正されて背筋が伸びるような感覚を受けます。
骨盤クッションに初めて座った方の第一印象は、「あ、気持ちいいかも?」といったものなのではないかと思います。
骨盤クッションの効果

骨盤クッションを使うことで、期待できる効果についてまとめてみました。
広がった骨盤を正常な状態に
産後すぐの女性の体は、骨盤だけではなくその周りの筋肉や関節などもゆがみやすい状態にあります。
この「ゆがみやすい状態」は時間の経過とともに徐々に解消されていき、通常であれば、特別な骨盤矯正などを行わなくても、身体が自然に骨盤のゆがみを調整しながら、妊娠前の状態にもどろうとします。
ですが、長期間の妊娠と出産で衰えた筋力や伸びきった靭帯の回復が遅れるなどが原因で、「ゆがみやすい状態」が解消される時期に骨盤周りの筋力不足やそれに伴う姿勢の悪さなどが目立つようになり、結果として骨盤が前後左右にゆがんでしまうことが多いです
骨盤クッションは、そんな骨盤のゆがみをゆっくりと改善してくれる効果があります。
産後すぐの骨盤はゆがみやすい時期に使い始めることで、開いた状態の骨盤が閉じて引き締まることをサポートしてくれます。
骨盤が開いた状態からいち早く脱出することで、出産経験のある女性特有の「大きなお尻」になりにくい状態に、身体を整えてくれる効果が期待できます。
血行促進
骨盤クッションを使うことで得られる効果は、直接骨盤のゆがみを治すことだけではありません。
とくに大きなメリットは、厚みのある骨盤クッションを使うことで硬く冷たい床や椅子に直接座ることを防げるという点です。
産後、筋力が衰えている状態で椅子や床に座ると、身体を支える全身の筋肉と、特に腰回り・お尻周りの筋肉が身体を完全に支えきることができません。
そのため、妊娠で増えた体重でお尻が圧迫され、血流やリンパの流れが滞ることがあります。
お尻周りの血行不良はそのまま足先までの冷え性の原因にもなりますので、代謝ダウンや腸の働きが悪くなるなど、女性の体に悪影響が出やすくなってしまいます。
骨盤矯正が効果的な産後から数か月の間は、代謝を良くすることで産後太りを予防しやすくなりますし、授乳されているお母さんにとっては、母乳のもととなる血液の流れが良好になることは、そのまま良質な母乳を作り出すことにもつながりますので、冷えは厳禁!
上手に骨盤クッションを使って血行不良を予防しましょう。
骨盤のゆがみを予防
特に出産したわけでもないし、産後太りなどで悩んでいるわけでもない女性でも、骨盤クッションを利用している方って、結構いますよね。
骨盤のゆがみを治すために利用するのが良いとされる「骨盤クッション」ですが、産後の矯正時期でなくても、骨盤のゆがみや体のバランスの崩れを防いでくれるだけでなく、姿勢が悪くなることなども予防する効果があります。
通常は、骨盤周りの筋肉が体をがっちり支えてくれているため、骨盤が開いたりゆがんだりといった状態にはならないものなのですが、運動不足や股関節痛などによって、全身の筋力が弱くなってしまう場合などには、妊娠や出産とは関係なく骨盤にゆがみが出ることも少なくありません。
骨盤クッションは、産後の骨盤矯正だけでなく、日常生活でも起こる可能性がある骨盤のゆがみや、それに伴う関節痛、姿勢の悪化などを防いでくれる優れたアイテムでもあるのです。
骨盤クッションはいつ使う?

骨盤クッションは、使用する時期によって期待できる効果が若干異なります。
また、期待している効果が思うように感じられないこともあるので、使用するタイミングは意外と重要です。
産後すぐ
骨盤クッションは、産後すぐに使い始めたほうがよいのは間違いないのですが、出産による傷の痛みや出血などがあるうちは、無理に使用しないほうが無難です。
とくに胎盤除去などでの出血が多かった方、産後の体調が思わしくない方は、産婦人科の医師に骨盤クッションの使用について相談してみることが第一です。
もちろん、産後数日で痛みもなくなる方もおおいですし、体を起こしているときは骨盤クッションを使っていた方が楽な場合などは、早め早めに使い始めても問題ありません。
産後すぐは心も体もデリケートですので、くれぐれも無理な使用はしないようにしましょうね。
産後1ヵ月~
骨盤クッションを使言始めるタイミングとしては、産後1ヶ月くらいがおすすめです。
産後1ヵ月といえば、ちょうど定期の1ヵ月健診がありますので、診断してくれるお医者さんに、身体の状態の報告とともに、骨盤クッションの使用について相談してみるのがよいですね^^
この時期に骨盤クッションを使い始める方が注意したいのが、とにかく「焦らない」ということです。
骨盤矯正を行うつもりで骨盤クッションを使い始めたからと言って、1日2日ですぐに骨盤のゆがみが解消されるわけではありません。
産後の骨盤矯正は、骨盤ベルトや骨盤クッションを使ってできるだけ正常に近い位置で骨盤をキープしつつ、時間をかけて筋トレやストレッチなどで骨盤の位置を固定しやすい体を取り戻していくことが正しい進め方です。
数週間、数か月座り続けているけど、あまり効果が感じられないといって骨盤クッションを使わなくなってしまっては元も子もありません。
とにかく、半年~1年くらいのなが~~いスパンで、骨盤クッションを使い続けることが重要です。
日常生活での使用
骨盤クッションがもっとも効果を発揮するのは「産後1ヵ月前後から半年くらいまで」です。
これは、産後数か月の間はそもそも女性の体が骨盤や関節、靭帯など緩みやすい状態にあるからで、その時期を逃すと骨盤矯正は一気に難しくなり、余計に時間と手間をかけなければならなくなります。
とはいえ、その時期以外に骨盤クッションを使うこと自体は、まったく無意味ということではありません。
デスクワークなどで長時間座った姿勢になる場合などは、骨盤クッションを使うことで猫背や体の片側に体重を傾けてしまう姿勢などを防いで、背筋が伸びた状態に保ちやすくする効果を発揮します。
前にもご紹介した、代謝や血行不良を防ぐ効果は、出産直後でなくても得られますし、骨盤クッションは時期を選ばず使用することができる、女性の味方とも言えます。
自宅で過ごす時間が多くなっている方にも、座り方ひとつで代謝不良に陥り、太りやすい体質になってしまう場合もありますので、ダイエットのサポートアイテムとして購入してみるのもありですね。
骨盤クッションの種類
骨盤クッションには、産後の女性が使用することをメインに開発されたものや、姿勢を矯正することをサポートしてくれるものなど、たくさんの種類があります。
最近では健康グッズを取り扱うお店以外にも、雑貨屋さんや家具屋さん、電気屋さんなどでも取り扱っているところがあるくらい、あちこちのお店で見かけます。
中には通信販売限定でしか購入ができない、かなり高機能な製品もあり、自分の体の状態にあったクッションを探すだけでも一苦労です。
ここでは、骨盤クッションにどんな種類があるのかを確認してみましょう!
ドーナツタイプ・U字タイプ

円形やU字型の骨盤クッションで、一昔前は、このタイプがもっともよく見られるものだったと思います。
大きさはさまざまですが、比較的小さめのサイズのものもあり、仕事用の椅子にそのままおいて使用できるほか、床に直接おいて座るのにも適しています。
また、お尻をサイドから押さえつけるような仕組みではないため、出産直後の痛みが残っている状態でも、使い始めることができます。
体重を分散してくれるので、骨盤やおしりが圧迫されることを防ぎつつ、ほどよい反発素材が姿勢と身体のバランスの崩れを軽減してくれます。
骨盤矯正タイプ
骨盤矯正を目的としていることを明確にアピールしているタイプのクッションです。
ドーナツ型やU字型のような単純な形状ではなく、お尻を包み込むような形をしているものや、座面の両サイドに骨盤を横から押し上げるためのサブクッションがついているものなど、各メーカーが様々なアイディアを盛り込んで販売しているものが多いです。
最近では、骨盤をしっかりサポートしつつ、前後左右に傾く仕組みでインナーマッスルを鍛えることができるタイプなど、ただ座るだけでなく+αの効果が期待できる商品も販売されています。
電気屋さんのマッサージチェア体験コーナーや、大型の家具専門店のおしゃれ雑貨コーナーなどにおいてあることが多いので、比較的試しやすいのも特徴です。

左右ガードタイプ

背もたれ付きタイプ

筋トレも同時にできるタイプ
まとめ
骨盤クッションは、産後の骨盤のゆがみやバランスの崩れを軽減してくれるだけでなく、産後太りや血行不良の予防までしてくれるステキなアイテムです。
もっとも効果を発揮する、出産後からの数か月間は、痛みや傷などの影響がないようであればできるだけ早めに使い始めることで、骨盤のゆがみを最小限に食い止めるだけでなく、血行不良などによる冷え性なども防いでくれます。
とはいえ、骨盤のゆがみがない状態をキープするためには、適度なトレーニングとストレッチで骨盤周りや腹筋などの筋力を付けることと、猫背や片側に体重を乗せるなどの悪い姿勢にならないようにすることがもっとも重要です。
骨盤クッションや骨盤ベルトで骨盤をできるだけ正常な位置にキープしつつ、栄養バランスのとれた食事と適度な運動を行って、妊娠前の以上に素敵なボディになれるよう、がんばりましょうね^^