産後に骨盤がゆがまないための寝方
出産を終えたお母さんの体は、約40週という長い妊娠期間のなかで本当に疲れ切っています。
そんな中、妊娠前の体型と体重を取り戻すために、出産後なるべく早く行う必要があるのが「骨盤矯正」です。
とはいえ、出産に向けて少しずつ子供が生まれやすいようにと広がった骨盤は、1日2日で簡単に元に戻るわけではなく、長い妊娠期間で疲弊した骨盤周りの筋肉や関節の回復と合わせて、じっくりと時間をかけて妊娠前の状態に戻していく必要があります。
そのなかであまり気にする方が多くないのが、「寝るときの姿勢」です。
実は出産後の寝方、寝る姿勢の悪さが骨盤をゆがませる原因になる可能性があるんです。
今回は、産後に骨盤がゆがまないよう気を付けるべきポイントと、就寝時にどのような体勢で眠ればよいのかを解説します^^
もくじ
産後の女性の体はグラグラ

産後の女性の体は、赤ちゃんが無事に生まれてこれるよう、妊娠中期くらいから出産に向けて徐々に筋肉や関節がゆるくなっていきます。
そのおかげで骨盤がめいいっぱい広がることができ、お腹の中の赤ちゃんが産まれてくることができるわけですが、無事に出産を終えてもお母さんの体はしばらくの間グラグラの状態が続き、すぐに元通りになるわけではありません。
妊娠前の体型や体重を取り戻すために、産後は骨盤などがゆがまないように意識しつつ、身体の状態に合わせて少しずつ筋力を回復させる必要があるのですが、慣れない育児や生活環境の変化などで思うような対策ができず、骨盤のゆがみや姿勢の悪さといった悪影響が残り続けてしまうケースも少なくありません。
時間が取れなくて効果的な取り組みができない場合もありますが、まずは出産で広がっている骨盤が広がったままにならないよう、産後すぐに骨盤の位置を固定するベルトなどを利用して骨盤が大きくゆがむのを防ぐことが大切です。
※関連記事※>>骨盤ベルトの正しい選び方はコチラ!選び方を間違えると大変なことに・・・(近日公開)
骨盤のゆがみと就寝時の姿勢

出産を終え、骨盤を含めた関節や靭帯を支えることができるだけの筋力が回復するまでは、思いのほか時間がかかります。
筋力の回復には、十分な睡眠が不可欠なのですが、残念ながら赤ちゃんの世話で四六時中やることに負われているお母さんは、まとまった睡眠時間を取ることが非常にむずかしいです。
そのため「寝れるときに寝る」という生活スタイルになる場合がほとんどで、ちょっとの時間体を横にしたり、赤ちゃんと一緒に数時間昼寝したりと、1日の中で何度も身体を横たえる機会が増えることでしょう。
ただ、そのちょっとした睡眠のときの姿勢が、骨盤がゆがむことかどうかに影響があるとしたら・・・気を付けるに越したことはありませんよね。
就寝時の骨盤ベルト

骨盤ベルトには、骨盤を正しい位置にキープすることで骨盤のゆがみを起こしにくくする効果があり、一日中つけたままにしておくのが基本的な使い方です。
ただ骨盤ベルト商品の中には、無意識のうちに姿勢が変わることが多い就寝時は外しておくよう説明されているものも少なくありません。
これは就寝中にベルトがずれて、正しくない位置で骨盤が固定されてしまったり、締め付けがきつくなって血行不良などの障害が出てしまったりという可能性もあるためで、もし夜も巻いたままで眠りたいという場合は、日中よりもゆるめに使用するよう注意書きされています。
もちろん、就寝時もつけっぱなしにできる、24時間装着可能な骨盤ベルト製品もありますが、頻繁にきつさを調整する必要があって面倒だったり、ズレ防止パーツを別に使わなければならなかったりと、結構な手間がかかります。
また蒸れや汗疹が気になる場合もあるので、特に夏場など暑い夜が続く場合などは、就寝時に骨盤ベルトに頼れないことも多いです
※関連記事※>>骨盤はなぜゆがむ?その思いがけない理由とは!?
産後の寝方が重要な理由

産後1ヶ月くらいの間は、もっぱら布団やベッドの上で赤ちゃんのお世話をしながら、座った姿勢や横になった姿勢で過ごすことが多いと思います。
この時期に重要なのが、「横になるときの姿勢」です。
産後は左右の骨盤が大きく開いた状態から、筋力の回復などに併せてゆっくりと時間をかけて元に戻っていきます。
とくにこの期間は、骨盤によけいな負担をかけないように気をつけて、開いた骨盤が元の正常な位置に戻っていくのを邪魔しない姿勢で寝ることが大切といえます。
そうしないと、せっかく日中きつめに骨盤ベルトを締めてがんばっているのに、寝ているときの姿勢が悪くてすべてが台無しになってしまう可能性だってあるのです。
睡眠時間は、1日の中でもとくに同じ姿勢が保たれることが多い時間でもありますので、骨盤が元の位置に戻りにくい姿勢のまま寝てしまうことは、そのまま骨盤がゆがんだ状態でキープされてしまうことにもつながります。
まずは就寝時はどんな姿勢がベストなのかを考えてみましょう。
産後の就寝時の姿勢
産後は時間とともに、大きく開いている左右の骨盤が、ゆっくりと元の位置にもどっていくわけですが、この時期に横向きの姿勢で寝ると、体の重みが左右どちらかの骨盤にのしかかってしまい、左右のバランスが大きく崩れた状態になってしまいます。
特に体の関節や靭帯がグニャグニャである、産後1ヵ月くらいまでは、横向きの姿勢で横になるのは避けたほうが無難です。
仰向けで寝る

横向きで寝る姿勢が骨盤のゆがみの原因になるというのであれば、うつ伏せや仰向けの状態で寝るしかありませんよね。
仰向けの状態であれば、確かに横に開いた骨盤への負荷は最小限で済みますが、だからといって万能な姿勢というわけではありません。
あおむけの姿勢って、おなか周りに圧迫感と腰の痛みがが感じられて、長時間続けられないという方も多いんですよね・・。
仰向け姿勢で腰痛を感じる場合は、おしりの下に低めのクッションを敷いてお尻を高い位置にするか、ひざ下にクッションを挟んで常に膝がたっている状態にすることで痛みを抑えることができます。
うつ伏せで寝る

またうつぶせ姿勢は、どうしてもお腹と胸が圧迫されるので、出産直後体重が重い時期などはとくに息苦しさや吐き気などを感じる方もいると思います。
そんなときは、二つのクッションを体の前か脇に抱きしめるような姿勢になると、圧迫感が抑えられます。
うつ伏せ状態も仰向け状態と同じく、長時間続けられない場合もありますので、こまめに体位変換を行って苦しくない姿勢で眠ることが大切です。
ちなみに病院でも指導されますが、帝王切開での出産を行ったお母さんは、出産時の傷が癒えるまではうつ伏せ姿勢をとってはいけません。
帝王切開での出産を行ったお母さんは、仰向け姿勢か、次に紹介する「膝にクッションを挟んだ横向き姿勢」で就寝しましょう。
どうしても横向きになる時

寝るときは横向きにならないほうがよいとはいえ、赤ちゃんと対面で就寝する場合や、添い寝状態での授乳(添い乳)を行う機会も多いと思いますので、そんなこと言われても・・・と困ってしまう方も多いですよね^^;
どうしても横向きの姿勢をしなければならない時は、両ヒザをそろえて「くの字」に曲げる状態で寝ることで、骨盤に負荷がかかりづらく、ただ横向きに寝るのに比べて骨盤にゆがみが起こりにくくすることができます。
これは左右のヒザを揃えず前後にずれた状態だと、股関節が閉じすぎた状態や斜めに傾いた状態になってしまうためで、骨盤のゆがみにつながってしまいます。
そうならないためのコツとして、クッションなどを両足の間に挟む方法がおすすめです。
足の間に柔らかいものを挟んでおくと、股関節が閉じすぎてしまうのを防ぐことができますし、寝ている間膝の位置が不安定になることも予防できますので、ぜひお試しください!
座って寝る

常に寝不足気味のお母さんは、赤ちゃんの授乳中にうとうとしてしまい、座ったままの姿勢で眠ってしまうことも少なくありません。
特に産後すぐは、まだお腹がある程度大きいこと、あぐら状態の足の上に授乳クッションを置いて授乳することから、骨盤が開いた状態になりがち。
そのままの姿勢で眠ることは、骨盤が閉じていくことの妨げとなりますので、授乳と睡眠にメリハリをつけて、授乳姿勢のままで眠ってしまうことをできるだけ減らすようにしましょう。
また、授乳の姿勢で眠りこけてしまうと、身体を支える力がぬけることで体が前に倒れ「猫背」の状態になってしまします。
猫背は骨盤がゆがんでしまう大きな原因の一つですので、くれぐれも気を付けましょう。
まとめ
出産後すぐは、とにかく産まれたばかりの赤ちゃんに付きっきりの生活になりますし、日々の寝不足が重なり「授乳してるんだか寝てるんだかわからない」状態になってしまうことも多いです。
ですが出産直後からの半年~1年くらいの期間というのは、大きく広がってずれてしまった骨盤を正常な位置に矯正しやすい「チャンスタイム」でもあることを忘れないでください。
子育てが忙しく、骨盤のゆがみを正すというところまで意識する余裕がない方もいると思いますが、いま頑張って骨盤のゆがみをなくし、妊娠前の体型と体重を取り戻すことができれば、今後何十年と続く「女性としての人生」において大きな自信に繋がります。
最初からムリして本格的な骨盤矯正やダイエットエクササイズなどをする必要はありません。
まずは「骨盤ベルトを使った基本的な骨盤矯正」と「就寝時の姿勢」に気を付けて、赤ちゃんとの新しい生活を楽しむくらいの気持ちの余裕を持てるようにがんばりましょうね^^