【ご注意】本記事は筆者の体験・一般的な情報の整理であり、特定の製品・治療の効果を保証するものではありません。服用に関しては、必ず医師・薬剤師等の専門家にご相談ください。
本気で痩せたいと思っていても、「運動や筋トレは続かない」「食事制限も難しい」と感じる方は少なくありません。
そのときに目に入りやすいのが、ドラッグストア等で手に取りやすい漢方薬。なかでも、体質・症状に応じて用いられる漢方の一つとして知られているのが防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)です。
一方で、「飲んで良かった」という声がある一方、「変化を感じにくかった」という声もあります。この記事では、筆者の体験もまじえつつ、防風通聖散とダイエットの関係を“正しく”理解するためのポイントと、体質や悩みによって検討されることのある他の漢方の例を紹介します。
もくじ
漢方薬とは(ざっくり解説)
漢方薬は、複数の生薬を一定の組み合わせ(処方)で用いる医薬品です。現在、日本で一般的に流通しているものには、煎じるタイプのほか、服用しやすいエキス顆粒・錠剤などがあります。
同じ名称の処方でも、メーカーや製品により剤形や含量が異なることがあるため、実際の服用は必ず製品の添付文書に従い、専門家の助言を受けてください。
防風通聖散はどんなときに用いられる?

一般に防風通聖散は、体質や症状に応じて、便通やむくみなどの改善を目的に用いられることがあります。広告等で「お腹の脂肪に…」といった表現を目にすることがありますが、防風通聖散そのものが脂肪を直接“燃やす”わけではありません。体重の変化は、食事・生活習慣・運動などの要素とあわせて考える必要があります。
→ 参考:PMDA 添付文書検索(防風通聖散)
市販品では処方名そのままの製品に加え、ブランド名で販売されているものもあります(例:コッコアポEX、ナイシトールZ 等)。いずれも用法・用量や注意事項は製品ごとに必ずご確認ください。
「効かない」と感じる主な理由
1) 体質・症状と処方のミスマッチ
漢方は、からだの状態(体質・症状像)に合うかどうかが重要です。便通やむくみの改善が見込めるタイプでない場合、防風通聖散だけで体重の変化を感じにくいことがあります。
2) 生活習慣の要素が大きい
食事・睡眠・運動の習慣は、体重に直結します。漢方のみでの体重減少を期待するのではなく、生活習慣の見直しと組み合わせることが大切です。
3) 服用量・期間・製品差
用法・用量が適切でない、服用期間が不十分、あるいは剤形・含量の違いにより体感が異なることも。自己判断で増減しないよう注意し、気になる場合は医師・薬剤師に相談しましょう。
※SNSの口コミは個人の感想です。効果効能を保証するものではありません。
防風通聖散が合わないときに検討されることのある処方の例
以下は一般的な特徴の紹介です。実際の選択は体質・症状や既往歴、妊娠・授乳の有無、併用薬などを踏まえ、必ず専門家にご相談ください。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

水分代謝の乱れによるだるさ・むくみが気になるタイプに検討されることがあります。
→ 参考:PMDA|ツムラ防已黄耆湯エキス顆粒(医療用) 添付文書
大柴胡湯(だいさいことう)

食生活やストレスに関連した不調に伴う消化器症状の整えを目的に用いられることがあります。
→ 参考:PMDA 添付文書検索(大柴胡湯)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

冷えや むくみ が気になる体質の方に検討されることがあります。
→ 参考:PMDA|ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用) 添付文書 / PMDA(OTC例)当帰芍薬散
筆者の体験メモ(個人の感想)
筆者は過去に防風通聖散系の市販薬を約2か月試したところ、便通やむくみの軽減は体感できた一方、体重の変化は生活習慣を整えてはじめて感じられたという印象でした。あくまで個人の体験であり、すべての方に当てはまるものではありません。
まとめ:漢方は「痩せ薬」ではなく、体質や症状に合わせて使う医薬品
防風通聖散は、体質や症状に合えば便通やむくみ等の改善が期待できる一方、それだけで体重が減ると考えるのは現実的ではありません。食事、睡眠、運動などの習慣づくりとセットで取り組むのが基本です。
安全のために
・自己判断での長期服用や増量は避ける
・妊娠・授乳中、持病・服用中の薬がある場合は必ず専門家へ相談
・体調不良や副作用が疑われる場合は服用を中止し、受診を
「自分にはどの選択肢が合うのか」を知ることが近道です。まずは専門家に相談しつつ、生活習慣の見直しとあわせて、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね!
よくある質問(FAQ)
Q1. 防風通聖散はどれくらい飲み続けると効果がありますか?
A. 一般的に漢方薬は、数日で劇的に変化するものではなく、数週間〜数か月単位で体質改善を目指すものとされています。ただし、体調や体質により感じ方は異なるため、効果の有無は一律には言えません。姿勢改善ストレッチの記事など、生活習慣の見直しと組み合わせることで相乗効果が期待できます。
Q2. 副作用はありますか?
A. 防風通聖散を含む漢方薬でも、副作用(下痢・腹痛・発疹・まれに間質性肺炎など)が報告されています。気になる症状が出た場合は服用を中止し、速やかに医師・薬剤師へ相談してください。詳しくは PMDA:漢方製剤に関する安全情報 をご参照ください。
Q3. 市販の防風通聖散と医療用の違いは何ですか?
A. 基本の処方は同じですが、メーカーや剤形により成分含量が異なる場合があります。市販薬(OTC)はドラッグストアで購入できますが、医療用は医師の診断に基づいて処方されます。体質や既往歴によっては合わない場合があるため、判断に迷うときは医療機関で相談するのが安心です。
主要なダイエット関連漢方の比較
処方名 | 特徴 | 市販品例 |
---|---|---|
防風通聖散 | 便秘・むくみ改善。お腹周りが気になる人向け | ナイシトールZ、コッコアポEX |
防已黄耆湯 | 水分代謝を整え、むくみによる肥満を改善 | コッコアポL など |
大柴胡湯 | ストレス・食べ過ぎ由来の肥満に用いられる | ビスラットゴールド、コッコアポG |
当帰芍薬散 | 冷え性・貧血・むくみ体質の改善に役立つ | 当帰芍薬散(製品名そのまま) |
このように、同じ「ダイエット系漢方」といっても、体質や原因により合う処方が異なります。自分の体調に合うかどうか迷った場合は、股関節ストレッチの記事なども参考にしつつ、生活習慣の改善と併せて医師・薬剤師にご相談ください。